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整数問題のコツは2つしかない!【根本原理】

整数問題のコツを掴むためのヒントをお伝えします

まず、整数問題には様々なパターンがあります

それらを一個一個覚えて使えるようにしておくことは大事です

しかし、そのようなパターン暗記以前に、整数問題には二つの根本原理が存在が存在することをおさえておきましょう。

a,n,mがすべて整数であるとします。二つの根本原理とは、

aがわかっており、n,mが未知のとき、a=nmならば(n,m)aの約数なので全部書き出せる、つまり解が有限個である

n,mがわかっており、aが未知のとき、n≦a≦mならばa=n,n+1,n+2...,mと全部書き出せる、つまり解が有限個である

ということです。

当たり前で小学生でもわかることなのですが、これを意識するだけで整数問題に対する見通しが広がります。

 

これらがなぜそんなに大切なのかというと、整数に特有の性質だからです。

実数と対比して考えてみましょう

①の場合、実数では、未知数がn,mの二つあって式がa=nmの一本しかなければ、自由度が2-1=1なので普通解は定まらず無限個存在します。ところが、整数の範囲では解が有限個しか存在しないのです。

②の場合も、実数では、不等式から等式が生まれることは普通ありませんが、整数の範囲だとn≦a≦mという不等式から、a=n,n+1,n+2...,mという等式が言えます。

 

つまり、整数問題の、他の分野との決定的な違いは、この二点に要約できるのです。

様々なパターンも、ほとんどがこの2つの原理の応用になっています。

 

例えば、x^2-y^2=3の整数解を求めよ、というような問題に対しては、「因数分解せよ」という鉄則があるかと思います

つまり、(x+y)(x-y)=3とします

あとは、3の約数が-3,-1,1,3であり、3=-3*-1=-1*-3=1*3=3*1であることから

(x,y)=(-2,-1),(-2,1),(2,-1),(2,1)と解がもとまります。

ではなぜ因数分解が有効なのか?というと、根本原則

aがわかっており、n,mが未知のとき、a=nmならば(n,m)aの約数なので全部書き出せる、つまり解が有限個である

を用いるための非常にシンプルな形

a=nm

を、因数分解は導くことができるからです

 

この原則を理解した上で、整数問題のパターンをひとつづつ定着させてください。

 

私はこの「マスターオブ整数」という本で整数問題のパターンを身に付けました。

整数問題に特化した参考書としては最もお勧めできます。

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