現代文の勉強法4ステップ!【読解のコツ】【要約】
現代文の勉強法と読解法について解説します
本質的な勉強法なので、志望校によらず通用する方法です
まず文章の普遍的な構造について述べた後、それを読み取る読解法と、それを実行するための勉強法を紹介します
特に、東大や京大など高度な読解力と論理的思考力を要求する大学に有効な勉強法です
どこに線を引けばよいかわからない人など是非参考にしてください
文章の普遍的な構造
そもそも文章とはなんでしょうか?
辞書的には「文章とは、いくつかの文を連ねてまとまった思想を表現したもの」です
ですが、入試現代文の読解という観点から、私は違う定義を提唱したい
それは「文章とは、いくつかの段落を連ねてまとまった思想を表現したもの」という定義です*1
そして、この観点から「文章の普遍的な構造」を整理することができます!
文章というのは三層構造になっているのです
①一文章内の段落と段落の関係
②一段落内の文と文の関係
③一文内の単語と単語の関係
ですが、③は日本語の文法なので、実際は①、②を理解するのがが読解力といえます
①一文章内の段落と段落の関係
文章にはいくつかの段落があります。それらの関係こそが、文章全体の構造なのです
つまり、段落同士の関係を掴むことが、文章全体の文脈を理解することとほとんど同値です。
段落同士の関係のいくつかの具体例をみていきましょう。
後の段落が前の段落の具体例や比喩である
抽象的な説明の後に、その具体例が展開されるパターン。これは頻繁に登場しますが、全体の論旨を掴む上では、具体例や比喩を削ぎ落とすことが重要です。
後の段落が前の段落の理由や原因を説明している
前の段落の理由や原因をあとの段落が説明することがあります。もちろん、前の段落が理由になっていて、後の段落が結論になっているパターンも存在します。
後の段落が前の段落の言い換えである
後の段落が前の段落の言い換えになっている場合があります。どちらがより本質的な段落なのか見極めるのが難しい場合があります。
後の段落が前の段落の補足説明である
前の段落で説明したことを補足説明する場合があります。全体の論旨の把握においては、補足説明は削ぎ落とすことが重要です。
後の段落が前の段落の反対説である
反対説をだして自説と比較するやり方があります。全体の論旨の把握においては、反対説もカットしてしまいましょう。
また、先に反対説をだして、後から自説を出す場合も多いです。
大体の関係が以上のパターンに当てはまるのですが、もちろん前後が逆転しているパターンもあります。
②一段落内の文と文の関係
段落内の文同士の関係で重要なのは、その分のトピックセンテンスという一番言いたいことを表している文を見つけることです
トピックセンテンスが、段落の意味を代表しているからです
そして、トピックセンテンス以外のサポート文がどういう役割をしているかで文同士の関係を捉えることができます
以下のようなパターンがあります
サポート文がトピックセンテンスの具体例や比喩である
サポート文がトピックセンテンスの理由や原因を説明している
サポート文がトピックセンテンスのいいかえである
サポート文がトピックセンテンスの補足説明である
サポート文がトピックセンテンスの反対説である
気づかれましたか?
実は段落同士の関係と同じパターンが文同士の関係にも当てはまるんですね!
手抜きではなく、本当にそうなんです
興味深いですね
③一文内の単語と単語の関係
これは、主語と述語の関係や、修飾語と被修飾語の関係など 、文法的な関係のことです
よく読めば日本語なので問題ないと思いますが、うっかりするとこの関係を読み間違えて誤読するので注意が必要です
全体像
文章の構造の全体像は以下のような図のイメージになっています
大きい円が段落で、小さい円が文、線はそれらの関係を表します。
全体を俯瞰すると段落同士の関係があり、一方で拡大して見ると段落の中では文同士の関係が同じように存在します。
もっと拡大すると文の中に単語同士の関係が存在しますが図は省略しました。
読解法
それでは、以上のような文章の普遍的構造をどうやったら捉えるようになれるでしょうか?
接続詞をマークする
まず、一つは接続詞が関係のタイプを示す重要な目印になるということです。
例えば、「例えば」という接続詞は具体例の関係を表します
他にも
結論「なぜならば/というのも」理由
反対説「しかし」自説
というパターンがあります。
しかし、接続詞が全てについているわけではありませんので注意してください
トピックセンテンス
トピックセンテンスに線を引いておくと読解の見通しがよくなります
よく、「どこに線を引けば良いかわからない」という人がいますが、まずトピックセンテンスにだけ線を引いてみてください
なぜなら、前述の通りトピックセンテンスは段落内の文の関係の要であると同時に段落の要約でもあるため段落同士の関係を掴む上でも非常に重要だからです
勉強法
現代文の勉強法としては、問題演習以外に以下の4ステップを実行してください
①トピックセンテンスを見つける訓練をすること
②トピックセンテンスを元に段落ごとの要約を作ること
③段落ごとの要約を元に段落同士の関係性を図などで示すこと
④段落同士の関係性と段落ごとの要約を元にして文章全体の要約を作成すること
文章全体の要約は東大の場合は問題にもなっているので、模範解答と比較できて好都合だと思います
この4ステップがなぜ重要なのかは、すでに説明した文章構造を理解するという目標からして明らかですよね
ぜひ試してみてください
基本的には①②③④の順でやって欲しいのですが、順番が前後することは全く構いません
人間の頭脳には、全体の構造が見えてから細部の構造がわかることもあるからです
まとめ
文章の三層構造は
①一文章内の段落と段落の関係
②一段落内の文と文の関係
③一文内の単語と単語の関係
これを、接続詞とトピックセンテンスを頼りに把握する
勉強法の4ステップは
①トピックセンテンスを見つける訓練をすること
②トピックセンテンスを元に段落ごとの要約を作ること
③段落ごとの要約を元に段落同士の関係性を図などで示すこと
④段落同士の関係性と段落ごとの要約を元にして文章全体の要約を作成すること
*1:ブログは見出しが設定できるのでこれが段落の代わりになっています。