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理想気体の状態方程式の二つの形【熱力学】【ボルツマン定数】【気体定数】【アボガドロ定数】

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理想気体の状態方程式 バージョン1

pV=nRT

これが理想気体の状態方程式(バージョン1)です。

p,V,n,R,Tがそれぞれ圧力[Pa]、体積[m^3]、物質量[mol]気体定数R=8.3J/(K・mol)、温度[K]です。

左辺は圧力や体積といったマクロな量を表しています。

右辺は分子の物質量や、分子の平均エネルギーと比例する温度といった、ミクロな量を表しています。

理想気体の状態方程式は、マクロとミクロをつなぐ方程式であると言えるかもしれません。

理想気体の状態方程式 バージョン2

pV=Nk_BT

これも理想気体の状態方程式(バージョン2)です。

p,V,N,k_B,Tがそれぞれ圧力[Pa]、体積[m^3]、粒子数[個]ボルツマン定数k_B=1.38*10^{-23}J/(K・mol)、温度[K]です。

バージョン1との違いは物質量ではなく粒子数を用いていることです。

大学レベルの熱力学ではむしろこちらの書き方の方が一般的です。

従って大学入試でもこの形で出題される可能性があります。

このバージョン2も必ず書けるようにしておいてください。

ボルツマン定数気体定数アボガドロ数の関係、物質量と粒子数の関係

バージョン1とバージョン2が同値であることを確認します。

まず、物質量の定義は

n\equiv\frac{N}{N_A}

N_Aアボガドロ定数です。

そして、気体定数の定義は

R\equiv k_BN_A

です。この二つの式から

nR=Nk_B

なので、バージョン1とバージョン2は同じ式であることがわかります。

物質量の定義と気体定数の定義を必ず言えるようにしておいてください。