定義と公理と定理
数学における定義と公理と定理について解説します
まず簡単に要約すると、
公理とは数学の議論を展開する上で前提にすることです
定義とは新しく登場させる言葉の意味を説明することです
定理とは、公理と定義から論理的に導ける(証明できる)事実のことをいいます
それでは、それぞれ詳しくみていきましょう
公理とは
例を挙げてみましょう
公理の例として
幾何学についての公理
全ての直角は等しい
集合についての公理
任意の集合AとBに対して、Aの要素が必ずBの要素でもあり、Bの要素が必ずAの要素でもあるならば、A=Bである
などがあります
これらを証明せよ、と言われても困りますよね笑
実際、これらは証明する必要がない、議論の前提とされます
定義とは
定義の例として
偶数の定義
偶数とは2で割り切れる整数のことである
などがあります。以上のように、「二等辺三角形」や「偶数」など、新しく登場させたい言葉の意味を確定させるのが定義です
定理とは
定理の例として
円周角の定理
などがあります(有名なので内容は略します)
これらは証明が必要で、証明では、定義、公理、これ以前に証明された定理のみを用いなければならないのです
公理、定義、定理の関係
そこで、公理、定義、定理に注目して数学とは何かを説明すると、
数学とは、公理と定義を適切に設定して、それらをもとに定理を次々証明してゆくことといえそうです
この意味で、公理、定義は無条件な前提、定理は結果というふうに二分することができます
公理や定義などの前提を疑わなくても良いのか?という疑問を持つ方もいるでしょう
その答えは簡単で、違う前提をたてて数学を作るのは自由だということです
実際、数学には様々な種類の公理系があり、それぞれ自由に研究がすすめられています
数学には唯一絶対の公理はないとされ、ある公理からはこういう定理が、別の公理からはこういう定理が導かれると言ったように、その関係が大事なのであって、ある公理と別の公理が対立すると言ったことには基本的にはならないということです