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内力の仕事の合計は座標系によらない【力学】

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いくつかの物体系を考えるとき、その内力の仕事の合計は座標系によらず一定である*1ことを示します(加速度系の慣性力は外力として扱いましょう)

 

n個の物体系の系Aの物体をj=1,2,...nとする

物体jからkへの力を\vec{F_{jk}}とおく

すると、内力の仕事率の合計P_{in}

P_{内}=\displaystyle \sum_{j∈A}\sum_{k∈A}(\vec{F_{jk}}・\vec{v_k})

一方この系からみて速度\vec{V}の速度で動いている座標系からみると、内力の仕事率の合計P_{内2}

P_{内2}\\=\displaystyle \sum_{j∈A}\sum_{k∈A}\vec{F_{jk}}・(\vec{v_k}-\vec{V})\\=\displaystyle \sum_{j∈A}\sum_{k∈A}(\vec{F_{jk}}・\vec{v_k})-(\displaystyle \sum_{j∈A}\sum_{k∈A}\vec{F_{jk}})・\vec{V}\\=P_内

である。ただし、最後の等号は、作用反作用の法則より

\displaystyle \sum_{j∈A}\sum_{k∈A}\vec{F_{jk}}=\vec{0}

であることから従う

 ゆえに、内力の仕事の合計は、座標系によらないことがわかる

 

*1:個々の内力の仕事は当然座標系によって変化する